こんにちは!
静岡県浜松市にあるミニチュアシュナウザー専門の犬舎、ESTRELLA(エストレージャ)の内山です。
愛犬との生活において、トイレのトレーニングは飼い主が必ず直面する課題の一つです。
トレーニングを成功させるには、環境を整えること、愛犬にとってわかりやすい方法を使うこと、失敗してしまった場合の冷静な対処が重要です。
私たちは、わんちゃんが排泄してはいけない場所に注意を向けてしまいがちですが、大事なのは適切な排泄場所を用意することです。
今回は、トイレのトレーニングのために必要な物や具体的なステップ、失敗した際の対応方法について詳しくご紹介します。
トイレトレーニングを行う前に
もともとわんちゃんには、一か所で排泄する習慣はありません。
トイレトレーニングを行なっていないわんちゃんが、いろんなところで排泄することは、先祖のオオカミから受け継いだ本能のひとつです。
なので、わんちゃん達がトイレ以外の床や絨毯で排泄をしても、本能のまま行動しているだけで決して悪いことをしているとは思ってはいません。
人間の都合でトイレに排泄を行って欲しいのであれば、何が悪いのか、分かっていないわんちゃんを叱るのではなく、きちんと私たちが教えてあげる必要があります。
トイレトレーニングをする前に、わんちゃんには悪気はなく「トイレ」という概念がもともとないということを理解している事で、心にもちょっと余裕が持てるかもしれません。
トイレのトレーニングに必要な物
トイレのトレーニングを成功させるには、適切な環境と用品が不可欠です。
こちらはトレーニングを始める際に用意しておくべきアイテムになります。
□ トイレシーツ
吸収力が高く、掃除が簡単なトイレシーツは、最も基本的で便利なアイテムです。
床に敷くだけでトイレの環境を整えられるため、掃除の手間を減らしながらトレーニングが可能です。
□ トイレトレー
シーツを固定するためにトイレトレーを使うと、わんちゃんがシーツを動かしてしまうことを防ぎ、特に小型犬には有効です。
□ 消臭・除菌スプレー
失敗してしまった場所を清潔に保つための消臭スプレーは、トイレのトレーニングには欠かせません。
臭いが残っていると同じ場所でまた失敗しやすいため、しっかりとした消臭が必要です。
□ ご褒美用のおやつ
成功した際には愛犬の好きなおやつを与えると、トレーニングがスムーズに進みます。
これらは室内でトイレトレーニングを行う場合に必要となります。
外で行う場合、フェンスで囲った庭が一般的ではありますが、この場合には道路から離れたわんちゃんが行きやすい場所を選びましょう。
そこへ木片や砂利を敷いておけば後片付けも簡単です。
歩道などの公共の場所で、散歩の際に排泄させる場合には、トイレットペーパー・ビニール袋・お水は、必須となります。
□ トイレットペーパー
犬が排泄した際、地面をきれいにするためや、飼い主の手や周りの汚れをさっと拭き取るために便利です。
また、雨の日やドッグランなどで、犬が泥や水で汚れた時にも手早く拭けるので、多目的に活用できます。
□ ビニール袋
散歩中に犬が排泄した際、排泄物を持ち帰るためのビニール袋は必需品です。
特に公園や住宅街など、他の人の迷惑にならないよう、排泄物をきちんと持ち帰るマナーを守るために重要です。
最近は防臭機能付きの袋や、環境に優しい分解性素材の袋もあります。
□ お水
排泄した後に地面や周囲をきれいにするために使用します。
トイレのトレーニングを始めるタイミングと年齢は?
トレーニングは生後2~3か月頃から始めると効果的です。
子犬は排泄の頻度が高いため、この時期からトイレの習慣を学ばせるとスムーズに覚えやすいとされています。
また、成犬であってもトイレのトレーニングは可能ですので、年齢を問わず、トレーニングを諦めないでください。
【 子犬の排泄サイクルを知る 】
特に子犬は膀胱が未発達で頻繁に排泄を必要とします。
目が覚めた直後、食事の後、遊びの後が排泄のチャンスであり、これを見計らってトイレの場所に連れて行きます。
生後12周目ごろになると、適切に管理されている子犬であれば、夜間の7時間はトイレを我慢できるようになります。
夜遅くの食事や水を控えれば、夜中に子犬がトイレに行きたがる可能性も少なくなります。
子犬を迎えて最初の頃は、いつもよりも目覚ましの時間を早めに設定して、子犬をトイレまで連れて行きましょう。
そして徐々に通常の起床時間に戻してください。
子犬が夜中に鳴いても、トイレに行きたがっているとは限りません。
かまって欲しくて鳴いている場合もあります。
夜中に鳴き声がするからと、毎回起きて子犬の相手をすると、わんちゃんも夜中でも鳴いたら来てくれると間違って学んでしまいます。
【 犬種や個体差を考慮する 】
犬種や性格によって学習のスピードには違いがあるため、焦らずに取り組むことが重要です。
例えば、好奇心旺盛な犬種はトレーニングがスムーズに進む一方、慎重なわんちゃんは慣れるまでに時間がかかる場合もあります。
トイレのトレーニングの基本的な方法
愛犬がトイレの場所とタイミングを覚えられるようにするには、次のステップを試してみましょう。
ポイントは、繰り返しと一貫性です。
【 ステップ1 】トイレの場所を決める
まず、トイレの場所を決めましょう。
常に同じ場所で行うことで、わんちゃんがその場所をトイレとして認識するようになります。
トイレを決めたら、そこにトイレシーツやトレイを配置します。
リビングや飼い主がいる場所から少し離れた、目の届く範囲の静かな環境にするのが理想です。
わんちゃんのトイレを覚える時、足の裏の感触でもトイレ認識します。
なので、わんちゃんが間違えやすいペットシーツと似た感触のもの(絨毯やマット、タオルなど)は、そばに置かないようにしてください。
【 ステップ2 】排泄のタイミングに注意する
わんちゃんがトイレに行きたくなるタイミングはある程度決まっているため、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
・起床後:わんちゃんは寝起きに排泄することが多いので、すぐにトイレに連れて行きます。
・食事や水を飲んだ後:食事や水を飲んだ後は排泄することが多いため、注意深く観察し、サインが見られたらトイレに誘導します。
・遊んだ後:興奮が冷めると排泄のタイミングになることが多いため、遊びの後もトイレのチャンスです。
【 ステップ3 】成功したらご褒美を与える
トイレでは用が済むまでわんちゃんから離れずに、排泄が終わったらたくさんほめて、おやつを与えるなどのご褒美をあげましょう。
この際、成功直後にご褒美を与えることで、わんちゃんはトイレ行為と報酬を結びつけやすくなり、成功の感覚を覚えやすくなります。
トイレを失敗してしまった場合
トレーニング中、失敗は避けられませんが、対応の仕方がその後のトレーニングに影響します。
1, 怒らずに冷静に対処する
失敗してしまった場合、わんちゃんを怒らずに冷静に対処します。
「ダメでしょ!」と叱ったり、失敗に対して騒いだり、わんちゃんに文句を言っても、「こっちを見て声をかけてくれた!」かまってくれたと勘違いをしてしまい、また同じことを繰り返してしまうこともあります。
失敗した時は一呼吸をして落ち着いた状態で、そっとわんちゃんをハウスへ戻します。
2, 失敗した場所をしっかりと掃除する
わんちゃんをハウスへ戻したら、無言のまま掃除を行いましょう。
わんちゃんは匂いを頼りに行動するため、失敗した場所に匂いが残っていると、再び同じ場所で排泄してしまいます。
消臭スプレーを使って、徹底的に掃除することで、再度の失敗を防ぎます。
掃除が終わったら、完全に乾くまでその上に椅子などを置き、残った臭いにつられてわんちゃんが来ないようにします。
掃除をする時も、わんちゃんが遊んでもらっている・かまってもらっていると勘違いをしないよう注意をしてください。
トレーニングがうまく進まない場合
トイレのトレーニングがなかなか進まない場合や、特定の場所でばかり失敗する場合には、環境やトレーニング方法を見直してみましょう。
【 環境の改善 】
トイレの場所があまりに暗かったり、騒がしいとわんちゃんが怖がってしまう可能性があります。
できるだけ静かでリラックスできる場所に移動させてみると良いでしょう。
いつもトイレでするけれど、少しだけはみ出してしてしまう場合、トイレがわんちゃんのサイズに合っていないのかもしれません。
【 ご褒美の変更 】
時にはご褒美を変えてみることで、わんちゃんの関心が再び高まることもあります。
おやつの種類やご褒美を与える頻度を調整し、トレーニングへのモチベーションを上げましょう。
【 プロのトレーナーに相談する 】
長期間トレーニングが進まない場合は、トレーナーのサポートを受けるのも一つの手です。
専門家のアドバイスにより、スムーズなトレーニングが期待できます。
成犬や保護犬に対するトレーニング方法
成犬や保護犬の場合、過去の環境や生活習慣が影響し、トレーニングが難しい場合があります。
そうしたわんちゃんへのトレーニングには、通常よりも慎重かつ段階的なアプローチが求められます。
【 新しい環境に慣れさせる 】
成犬や保護犬は、新しい場所や人に警戒心を抱くことが多いため、まずはトレーニングよりも信頼関係を築くことが重要です。
ゆっくりと時間をかけて新しい環境に慣れさせましょう。
【 小さな成功体験を重ねる 】
成犬は成長するにつれ、学習のペースがゆっくりになることがありますが、小さな成功体験を積み重ねて自信を持たせることで徐々に覚えさせることができます。
多頭飼育の場合のトレーニング方法
複数のわんちゃんを飼っている場合、各わんちゃんの個性に合わせたトレーニングが求められます。
一匹のわんちゃんが成功すると、他のわんちゃんもそれに続いて覚えやすくなる「モデリング効果」を活用することも有効です。
最後に
わんちゃんのトイレのトレーニングは根気と愛情が必要ですが、適切な方法で対応することで、時間と共に確実に成果が見えてきます。
わんちゃんのトイレのトレーニングについて悩まれている方は、決してあなただけではありません。
失敗を恐れず、愛犬と信頼関係を築きながらトレーニングを進めることで、快適な生活が実現できるでしょう。