ミニチュアシュナウザーの仔犬の頻尿について

パートナーを迎えてからの暮らし

こんにちは!

静岡県浜松市にあるミニチュアシュナウザー専門の犬舎、ESTRELLA(エストレージャ)の内山です。

ミニチュアシュナウザーの子犬が「大量に水を飲み」「頻尿で」「大量に排尿する」という状況は、生理的な範囲で問題のないケースもありますが、いくつかの疾患の初期症状である可能性もあるため注意が必要です。

犬の頻尿(ひんにょう)とは?

頻尿とは、通常よりも頻繁に排尿をする状態を指します。

たとえば、1日に何度もトイレに行く、排尿間隔が極端に短くなっている、といった様子が見られる場合は、頻尿の可能性があります。

考えられる主な原因

① 正常な範囲の行動(生理的原因)

  • 運動後や暑い日、興奮時などによる一時的な水分摂取の増加
  • ドライフード中心の食事で水分補給が増える
  • トイレトレーニング中で水を多く与えている

子犬期はまだ腎機能や膀胱機能が未熟なため、尿の濃縮がうまくできず、結果的に尿量が多くなることもあります。

この場合は、成長と共に落ち着いていくことが多いです。

② 病気の可能性がある場合(病理的原因)

1. 尿崩症 (にょうほうしょう)

  • 脳または腎臓のホルモン異常により、水をたくさん飲んで大量に尿を出してしまう症状

非常に珍しいが、若い犬でも稀に発症することがあります。

2. 糖尿病 (とうにょうびょう)

  • 血糖値が高いため、尿に糖が出てそれに伴って水分も排出されてしまう症状(多飲多尿)

子犬での発症はまれですが、シュナウザーは比較的リスクあり注意が必要です。

3. 慢性腎不全 (まんせいじんふぜん)

通常は高齢犬に多いですが、先天性の腎疾患や腎形成異常によって子犬でも症状が出ることがあります

4. 膀胱炎 (ぼうこうえん) や 尿路感染症 (にょうろかんせんしょう)

頻尿だけでなく、「少量ずつ何度も」「おしっこの色や臭いの異常」「排尿時の痛み」などの症状がある場合は、膀胱炎や尿路感染症の可能性もあります。

5. 肝臓疾患 (かんぞうしっかん) や副腎皮質機能亢進症 (ふくじんひしつきのうこうしんしょう) <クッシング症候群>

少し年齢が上がったわんちゃんや遺伝的リスクをもつわんちゃんで注意が必要です。

【チェックポイント】家庭でできる観察

チェックの項目内容
□ おしっこの色薄すぎないか?(水のように透明なら要注意)
□ 食欲極端に旺盛 or 低下していないか?
□ 元気さ活発さに変化がないか?
□ 体重急激な増減がないか?
□ 水の量体重 1kg あたり100ml 以上/日なら多飲傾向
(例:2kgで200ml以上)
□ 排尿の回数1日10回以上など 極端に多いなら異常の可能性あり

ミニチュアシュナウザー特有の注意点

ミニチュアシュナウザーはもともと尿路疾患・結石・糖尿病・膵炎などのリスクが他犬種より高い傾向があります。

そのため、「なんとなく心配」な段階でも早期に獣医師に相談することが望ましい犬種です。

おすすめの対応

  1. 3日間の水の摂取量と排尿回数を記録
  2. 尿の写真やpH、色、においなどもチェック(可能であればペットシーツを乾かさずに持参)
  3. 上記を元に動物病院で相談(一般的な尿検査と血液検査で大きな問題は判断可能)

まとめ

状態対応
一時的、明確な原因(暑さ・食後など)がある 様子見でOK
水の量が明らかに多く、尿量・回数が異常 すぐに病院受診を検討
色が透明、食欲も異常、痩せてきたなどの症状がある 緊急性あり、早急に診察を