こんにちは!
静岡県浜松市にあるミニチュアシュナウザー専門の犬舎、ESTRELLA(エストレージャ)の内山です。
―目やにの原因・日常ケア・動物病院の受診目安まで―
ミニチュアシュナウザーは、賢く愛情深い性格と特徴的な外見で多くの愛犬家に親しまれている人気犬種です。
しかし、その一方で「目やにが出やすい」「目の周りが汚れやすい」と感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
目やには体調や環境の変化、犬種の構造的な特徴など、さまざまな要因で見られるものです。
一時的なもので心配のない場合もありますが、中には早めの対応が必要なケースもあります。
ここでは、ミニチュアシュナウザーに目やにが多く見られる原因とその対策、日常のケアの方法、動物病院を受診するべきサインについて、詳しくご紹介いたします。
目やにとは何か?
目やにとは、涙やほこり、分泌物、老廃物、細菌の死骸などが混じって固まったものです。
健康な状態でも、朝起きたときなどに少量出ることは自然なことです。
しかし、それが異常に増えたり、色やにおいが強かったりする場合には、体が何らかの異変を知らせている可能性があります。

ミニチュアシュナウザーの目やにが出やすい理由
ミニチュアシュナウザーは目の周囲に豊富な毛が生えており、これが目に入りやすい構造をしています。
また、目元が汚れやすく、涙やけや皮膚の炎症が起こりやすい犬種でもあります。
以下のような要因が、目やにを引き起こす原因として考えられます。
① 環境の変化やストレス
子犬や引っ越し・新しい人間関係など、環境の変化があった場合、軽度のストレスで一時的に目やにが増えることがあります。
とくにお迎え直後の子犬やホテル帰りのわんちゃんは注意が必要です。
② ホコリや被毛などの物理的刺激
目に毛やゴミが入ると、自然に異物を排出しようとする働きで涙や目やにが増えます。
ミニチュアシュナウザーの顔周りの毛は特に目に入りやすいため、定期的なトリミングやケアが不可欠です。
③ まつげの異常(逆さまつげなど)
まつげが内側に向かって生えていたり、皮膚のたるみによってまぶたが内反している場合、常に目が刺激される状態となり、慢性的な目やにが出る原因となります。
④ アレルギー反応
花粉、ハウスダスト、フードに含まれる成分などにアレルギー反応を示すこともあります。
特に目の周囲のかゆみや炎症を伴う場合は、アレルギーの可能性を疑いましょう。
⑤ 感染症(ウイルス・細菌・真菌)
わんちゃんにも「結膜炎」や「角膜炎」といった目の病気があります。
細菌やウイルス、真菌による炎症が起きると、黄緑色やねばついた目やにが出たり、涙が大量に流れたりします。
⑥ 涙管の閉塞や奇形
涙が鼻に流れず、目の外にあふれてしまうことで、涙やけや目やにが目立つようになることがあります。
先天的な構造異常の場合もあります。
目やにの色と性状から見る健康チェック
目やにの状態から、ある程度健康状態を判断するヒントになります。
目やにの色・状態 | 考えられる原因 | 対処の目安 |
---|---|---|
白っぽく乾いた目やに | 正常範囲 | 毎日の拭き取りでOK |
黒〜茶色で乾燥している | 古い涙やけ、毛やゴミの混入 | トリミングと清掃を |
黄色〜緑がかった粘性の目やに | 細菌感染、結膜炎など | 早めに動物病院へ |
大量の涙と一緒に流れてくる | アレルギー、涙管閉塞 | 病院で診断が必要 |
家庭でできる目やに対策と日常ケア
① こまめな拭き取り
目やにをそのままにしておくと、被毛が変色したり皮膚がかぶれる原因になります。
朝晩など1日1〜2回、ぬるま湯に浸したガーゼやコットン、犬用の目元専用ローションなどで優しく拭き取ってあげましょう。

② 目の周囲の被毛管理
目元の毛が伸びてくると、目に入りやすくなります。
定期的にトリマーや飼い主さん自身で安全にカットし、目に刺激を与えないようにしましょう。

③ 清潔な飼育環境を保つ
ホコリ、タバコの煙、ハウスダスト、芳香剤など、目に刺激を与える要因を極力排除することも大切です。
空気清浄機の使用やこまめな掃除を心がけましょう。

フードの見直し
アレルギーを疑う場合は、フードに含まれる主原料や添加物を確認してください。
グレインフリー、無添加のナチュラルフードへの切り替えが有効な場合もあります。

動物病院を受診すべきサイン
以下のような症状が見られる場合は、自己判断せず早めに動物病院の診察を受けてください。
- 目を頻繁にこする、こすりつける仕草がある
- 目が赤く充血している
- まぶたが腫れている、開きづらそうにしている
- 目やにの色が黄緑色やドロッとしている
- 両目同時に症状が出ている
- 匂いがきつい
- 食欲や元気がないなど、他の症状もある
早期に診察を受けることで、深刻な眼疾患や全身疾患の早期発見にもつながります。
まとめ:日々の観察が最も大切なケア
目やには、ミニチュアシュナウザーに限らず多くのわんちゃんで見られる一般的な症状ですが、その背景にはさまざまな要因が隠れています。
日々のちょっとした変化に気づいてあげることが、健康維持の第一歩です。
特にミニチュアシュナウザーのような目のまわりに被毛が多い犬種では、「目に毛が入らないようにする」「清潔を保つ」「違和感を見逃さない」という3つのポイントを意識することが大切です。
愛犬との暮らしの中で「いつもとちょっと違うな」と感じる瞬間は、わんちゃんからの小さなサインかもしれません。
どんな些細なことでも構いませんので、不安なことがあればすぐに獣医師やブリーダー、専門家にご相談ください。
愛犬の健やかな毎日を守るために、飼い主としてできることはたくさんあります。
目の健康も、そのひとつです。
毎日のケアを通して、愛犬との絆をさらに深めていきましょう。
