こんにちは!
静岡県浜松市にあるミニチュアシュナウザー専門の犬舎、ESTRELLA(エストレージャ)の内山です。
ミニチュアシュナウザーを飼い始めたばかりの方、これから飼おうと考えている方の中には、
「 プラッキング 」
「 ローリング 」
「 ストリッピング 」
といった言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
特にトリミングサロンやブリーダーさんとの会話の中で、こうした専門用語が出てくると「なんのこと?」と戸惑う方も少なくありません。
この記事では、「プラッキング・ローリング・ストリッピング」の違いや意味、初心者向けのわかりやすい説明をまとめました。
ミニチュアシュナウザーのコート(被毛)を健康に美しく保つために、ぜひ参考にしてください。
ミニチュアシュナウザーのコート構造とは?
まず前提として、ミニチュアシュナウザーは「ダブルコート」と呼ばれる2層構造の被毛を持っています。
トップコート(上毛) | 固くてゴワゴワした質感。色もはっきりしています。 紫外線や汚れから体を守る役割。 |
アンダーコート(下毛) | 柔らかくふわふわした毛。 保温・保湿の役割がありますが、毛玉や皮膚トラブルの原因にもなります。 |
ミニチュアシュナウザーらしい「ハリのある毛並み」や「独特のカラーリング」は、このトップコートを活かすことで維持されます。
コート管理の基本
多くの犬種ではバリカンやハサミで毛をカットする「トリミング」が主流ですが、ミニチュアシュナウザーの場合は「ストリッピング」や「プラッキング」といった方法が推奨されることもあります。
なぜなら…
トップコートは自然には抜け落ちにくい毛質だからです。
古くなった毛をそのまま放置すると、
- 色あせ
- 毛質の低下
- 皮膚トラブル
などの原因になります。

そこで必要になるのが、今回紹介する専門用語です。
専門用語①「プラッキング(Plucking)」とは?
[ 意味:特定の部位や必要な部分だけを手や道具で毛を抜くこと ]
プラッキングは「ピンセットや指、専用ナイフを使って、必要な古い毛をつまんで抜く方法」です。
すべての毛を一気に抜くわけではなく、
- 伸びすぎた部分
- 形を整えるための部分
- 毛質改善のための部分
など、部分的に行う場合が多いです。
【 目的・効果 】
- 不要な古い毛を取り除く
- 毛並みを整える
- 通気性や皮膚環境を保つ
【 実際のシーン 】
眉毛やヒゲ周り、ボディラインの微調整などでよく使われます。
また、ショー用の犬は日常的にプラッキングで細かいお手入れをします。
専門用語②「ローリング(Rolling)」とは?
[ 意味:定期的・継続的に少しずつ毛を抜き、常に新しい毛が生えている状態を作ること ]
ローリングは「被毛全体を定期的に少しずつ整えるための方法」です。
一度に全部の毛を抜くのではなく、古い毛を少しずつ抜きながら、新しい毛と古い毛が常に混ざった状態を保つイメージです。
【 目的・効果 】
- 被毛の美しさを常にキープ
- 犬への負担を軽減
- 常に健康的な皮膚状態を維持
【 実際のシーン 】
特にショードッグの場合、常にコンディションを良く見せる必要があります。
そのため2週間に1回、月に1回など頻繁にローリングを行います。
ペットシュナウザーでも毛質を保ちたい場合はこの方法がオススメです。
専門用語③「ストリッピング(Stripping)」とは?
[ 意味:トップコート全体を一度に抜き切って新しい毛に生え変わらせる方法 ]
ストリッピングは「トップコートをすべて抜く大規模なプラッキング」です。
一気に古い毛を抜くことで、全部が新しい毛に生え変わります。
【 目的・効果 】
- 毛質改善
- 色の濃さを取り戻す
- 皮膚のリセット
【 実際のシーン 】
- ドッグショー前
- 被毛が伸びすぎてしまった場合
- 定期的なリセット目的
【 頻度 】
一般的には、年2〜4回程度。(個体や被毛の状態によります)
プラッキング・ローリング・ストリッピングの違いまとめ
用語 | 内容 | 頻度 | 犬への負担 | 主な目的 |
---|---|---|---|---|
プラッキング | 部分的に毛を抜く | 必要時 | 少ない | 形を整える・毛質維持 |
ローリング | 定期的に少しずつ抜く | 月1回程度 | 低い | 常に良い状態を保つ |
ストリッピング | 一気に全体を抜く | 年2〜4回 | 比較的大きい | 毛質リセット・健康維持 |
よくある質問と初心者の方へのアドバイス
Q. 痛そうですが、犬は嫌がりませんか?
適切な方法で行えば、犬はほとんど痛みを感じません。
古くなった毛は自然に抜けやすくなっているためです。
ただし技術が必要なため、最初はプロにお願いすることをおすすめします。
Q. 自宅でやる場合、必要な道具は?
- プラッキングナイフ
- フィンガーコット(指サック)
- ピンセット
などが必要です。
慣れてきたら道具を少しずつそろえていくと良いでしょう。

Q. ペット用シュナウザーでもやる必要はありますか?
必ずしも必須ではありませんが、毛玉や皮膚トラブル予防、健康的な見た目を保ちたい場合は「ローリング」だけでもおすすめです。
まとめ:シュナウザーと長く健康に暮らすために
ミニチュアシュナウザーのコート管理は、ただ可愛く見せるためだけでなく健康を守るための大切な習慣でもあります。
今回紹介した
- プラッキング
- ローリング
- ストリッピング
この3つの意味や違いを理解し、必要に応じて取り入れてみてください。
初心者の方は無理をせず、まずは信頼できるトリマーさんやブリーダーさんに相談しながら、少しずつコート管理に慣れていくことをおすすめします。
愛犬のためにも、ぜひこうした専門知識を活かして「美しく、健康的なミニチュアシュナウザーライフ」を楽しんでください!
