【実践編】【第十六弾】【ケア・お手入れ】肉球のケアとフローリング対策(滑り防止も)〜子犬・成犬・老犬すべてに必要な「肉球保護」の考え方〜

こんにちは!

静岡県浜松市にあるミニチュアシュナウザー専門の犬舎、ESTRELLA(エストレージャ)の内山です。

ミニチュアシュナウザーと暮らしていると、意外と見落とされがちなのが「肉球(パッド)」のケアです。

毛やヒゲ、眉の手入れは気にするのに、肉球は“ガサガサしてきてから慌てて対処”になりやすい場所。

でも肉球は、犬にとって 「靴」でもあり「クッション」でもあり「滑り止め」でもある 大切な器官です。

ここが荒れると、歩き方が変わり、足腰への負担が増え、関節・爪・背中まで連鎖的に不調が出ることもあります。

さらに、室内飼いが中心のシュナウザーに多い悩みが、フローリングでの滑り。

「走るとツルッ」

「踏ん張れずに転ぶ」

「階段を怖がる」

など、日常の小さな“滑り”の積み重ねが、将来の関節トラブルにつながる可能性もあります。

この記事では、

  • 肉球を守るべき理由
  • 肉球の正しいケア(乾燥・ひび割れ・伸びた毛・ニオイ)
  • フローリングで滑らせない環境づくり
  • 子犬・成犬・老犬それぞれの注意点

を、初心者の方でも実践できるように丁寧にまとめます。


目次

そもそも肉球は何のためにあるの?

肉球はただの“ぷにぷに”ではありません。

主な役割はこの4つです。

① 衝撃吸収(クッション)

ジャンプや着地、階段、急停止などの衝撃を和らげます。

シュナウザーは活発でダッシュも得意。

だからこそ肉球が硬くなりすぎたり、逆に薄く弱っていると、衝撃がダイレクトに関節へいきます。

② 滑り止め(グリップ)

肉球表面の適度な弾力と摩擦で踏ん張ります。

乾燥して硬くなるとグリップ力が落ち、フローリングで滑りやすくなります。

③ 感覚器(センサー)

肉球には多くの神経があり、地面の温度・質感・凸凹を感じ取っています。

痛みがあると歩くのを嫌がったり、外に出たがらなくなるのは“わがまま”ではなくセンサーが働いているサイン。

④ 体温調節(汗腺)

犬は肉球に汗腺があります(人間ほどではありません)。

熱がこもる季節は、肉球が蒸れてトラブルが増えやすいので注意が必要です。


肉球トラブルの「よくある原因」5つ

肉球が荒れる原因はひとつではありません。

よくあるのはこの5つです。

【 原因① 】乾燥(冬・エアコン)

冬の乾燥や暖房、夏の冷房で、肉球がカサカサに。

表面が硬くなると滑りやすく、ひび割れもしやすいです。

【 原因② 】滑って踏ん張る(室内フローリング)

滑る → 踏ん張る → 皮膚がこすれる → 肉球が硬化・荒れやすくなる

この悪循環が起こりやすいです。

特に、勢いよく走る子・興奮しやすい子ほど肉球が痛みやすい傾向。

【 原因③ 】足裏の毛が伸びすぎている

シュナウザーは足裏の毛が伸びやすい犬種。

足裏の毛が伸びると、肉球が床に接地しにくくなり、“毛で滑る” 状態になります。

肉球ケア=保湿だけでなく、足裏バリカン(足裏カット) が重要です。

【 原因④ 】爪が長い

爪が長いと、肉球にしっかり体重が乗らず、滑りやすくなります。

さらに関節の角度が崩れて歩き方が悪くなり、老後の足腰に響きます。

【 原因⑤ 】アレルギー・皮膚炎・感染(舐め壊し)

肉球をしきりに舐める、赤い、におう、ベタつく…は要注意。

単なる乾燥ではなく、外耳炎と同じように“湿気と菌”が絡むこともあります。

その場合はホームケアだけで長引かせず、早めに動物病院へ。


基本の肉球ケア:今日からできる「3本柱」

肉球ケアは難しいことをしなくて大丈夫です。

基本はこれだけ。

① 足裏の毛を整える(最重要)

【 目安 】

2〜4週間に1回(伸びる子はもっと早い)

【 ポイント 】

肉球がしっかり床に当たる長さにする

足裏の毛が伸びたままだと、どんな滑り止め対策をしても効果が落ちます。

「肉球が床に触れて初めてグリップが生きる」ので、まずはここ。

※自宅でやる場合、バリカンに慣れていない子は無理せずトリミングでOK。
嫌がって暴れるとケガのリスクがあるため、最初はプロに任せるのが安心です。

② 爪を適正に保つ(滑り対策にも直結)

【 目安 】

2〜4週間に1回

【 理想 】

立った時に爪が床に強く当たらない長さ

爪が長いと“爪で滑る”ことがあります。

フローリングでカチカチ音がする場合は、爪が長いサインのことが多いです。

③ 保湿(やりすぎ注意、でも継続が鍵)

肉球専用の保湿剤(肉球クリーム・バーム)を薄く塗るだけで、乾燥・ひび割れ・硬化を防ぎやすくなります。

【 塗り方のコツ 】

  1. 散歩後や寝る前など「落ち着く時間」に
  2. 米粒〜小豆くらいを手に取り、薄く伸ばす
  3. ベタベタに塗らない(床が滑る原因にも)
  4. 塗った直後に走らせない(5〜10分落ち着かせる)

舐める子はどうする?

  • 塗った後に知育トイで気をそらす
  • クレートで数分休憩
  • 舐め壊しがひどい子は、保湿より先に炎症ケアが必要な場合もあるので病院相談

季節別:肉球ケアの注意ポイント

【 冬 】乾燥とひび割れ

冬は表面が硬くなりやすいです。

「ガサガサ→滑る→踏ん張る→さらに硬くなる」になりがちなので、足裏カット+薄い保湿を習慣化すると安定します。

【 夏 】熱・蒸れ・散歩時間

真夏のアスファルトは肉球に負担。

室内でも湿気で蒸れ、指の間が赤くなる子もいます。

散歩は涼しい時間帯にし、帰宅後は足裏を軽く拭いて清潔に。

【 梅雨 】菌・におい・ベタつき

梅雨は肉球が蒸れやすく、舐め壊しも増えます。

「赤い」「におう」「ベタベタ」「指の間が湿っぽい」なら要注意。

この時期は“保湿”より“清潔と乾燥”が優先です。


フローリング対策:滑りを減らすのが最優先

肉球を守るには、滑る環境を減らす のがいちばん効果的です。

なぜなら、滑りを放置すると「足腰」「膝」「腰椎」まで負担が連鎖するからです。

【 対策① 】走る場所だけでも「マット・ラグ」を敷く

全部を敷き詰めなくてもOK。

犬の動線(ソファ〜水飲み場〜トイレ〜廊下)を優先して敷くだけでも変わります。

おすすめの考え方

  • 廊下:細長いランナーラグ
  • リビング:滑り止め付きラグ
  • トイレ周り:防水マット
  • ダッシュしがちな場所:ジョイントマット(ただし噛む子は注意)

【 対策② 】滑りやすいところに「滑り止め加工」

フローリング用の滑り止めワックス・コーティングなども選択肢です。

ただし、犬に安全な成分・施工方法かを必ず確認してください。

においが強いものや乾燥に時間がかかるものは、犬のストレスになることがあります。

【 対策③ 】犬用ソックス・ブーツ(必要な子には有効)

  • 老犬で踏ん張れない
  • 後ろ足が特に滑る
  • 肉球が荒れて一時的に保護したい

こういう子には、ソックスやブーツが役立つ場合があります。

ただし、嫌がる子も多いので「慣らし」が必要。

まずは短時間(数分)から始めて、できたら褒める、を繰り返します。

対策④ 肉球に貼る滑り止め(グリップシール)

一時的にグリップを上げたい場合に便利ですが、皮膚が弱い子・舐める子には合わないことがあります。

貼った後に赤みが出ないか、必ずチェックしてください。


年齢別:子犬・成犬・老犬で違う「守り方」

子犬(パピー期)

子犬は肉球がまだ柔らかく、床の刺激に敏感です。

滑って転ぶ経験が続くと、走るのを怖がったり、歩き方が変になる子もいます。

【 子犬のポイント 】

  1. まず「滑らない床」を優先
  2. 爪が伸びやすいので短め管理
  3. 保湿は必要な時だけ(ベタつきは逆効果になりやすい)

成犬(元気いっぱい期)

走る、跳ぶ、急停止…が増え、肉球への摩擦が多い時期。

この時期に滑る床を放置すると、将来の膝・腰に影響が出ることがあります。

【 成犬のポイント 】

  1. 足裏カット+爪管理をルーティン化
  2. 走る場所はラグで保護
  3. 散歩後は軽く拭いて清潔に

老犬(シニア期)

シニアは筋力が落ち、踏ん張れずに滑りやすくなります。

「滑る→踏ん張れない→転ぶ→怖くなる→動かなくなる」

この流れが起こると、さらに筋力低下が進むことも。

【 老犬のポイント 】

  1. 家の中の“滑りゼロ化”を目標に
  2. 後ろ足が滑る子はソックスやマットを検討
  3. 肉球が薄くなって痛がる子もいるので、荒れがあれば早めに病院相談
  4. 関節痛がある場合、肉球ケアだけでは解決しないこともあります

肉球チェックリスト(週1でOK)

最後に、迷わないためのチェックリストを置いておきます。

週1回で十分です。

  • 肉球が白っぽく粉を吹いていない?(乾燥)
  • ひび割れ、欠け、出血はない?
  • 指の間が赤くない?湿ってない?におわない?
  • しきりに舐めていない?(ストレスや炎症の可能性)
  • 足裏の毛が伸びて肉球が隠れていない?
  • 爪が長くて床でカチカチ鳴っていない?
  • フローリングで滑っていない?後ろ足が流れていない?

【 受診の目安 】

  • 赤みが強い、腫れている
  • 片足をかばう、触ると嫌がる
  • 出血、膿、強いにおい
  • 舐め壊して皮膚がただれている

こういう場合は、セルフケアで引っ張らず病院が安心です。


まとめ:肉球を守ることは「足腰を守ること」

ミニチュアシュナウザーの肉球ケアは、見た目の問題ではなく、健康寿命の土台です。

  1. 足裏の毛を整える
  2. 爪を適正に保つ
  3. 乾燥しすぎないよう薄く保湿
  4. 何より、フローリングで滑らせない環境づくり

この4つを意識するだけで、「滑って転ぶ」「足腰の負担」「散歩を嫌がる」などの悩みが減りやすくなります。

肉球は毎日見なくてもいい。

でも、“定期的に気にしてあげるだけで未来が変わる場所” です。

ぜひ今日から、できるところから始めてみてください。

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