〜 大きすぎても小さすぎてもダメ。子犬から成犬まで安心して使えるクレート選び 〜
こんにちは!
静岡県浜松市にあるミニチュアシュナウザー専門の犬舎、ESTRELLA(エストレージャ)の内山です。
ミニチュアシュナウザーの子犬をお迎えになるお客様から、よくいただく質問のひとつが、
「クレートはどのサイズを選べばよいですか?」というものです。
ペット用品店やインターネットでクレートを探すと、S・M・Lなど複数のサイズが並んでいます。
さらに、同じ「Mサイズ」と書かれていても、メーカーやシリーズによって実際の大きさが違います。
初めて犬を飼う方にとっては、
- 「子犬だからSサイズでいいのかな」
- 「すぐ成長するなら大きいものを買った方が得?」
- 「狭いとかわいそうでは?」
- 「成犬になった時に窮屈にならない?」
- 「クレートとケージはどう使い分けるの?」
と、わからないことがたくさんあると思います。
私がお客様へクレートをご案内する際は、ミニチュアシュナウザーであれば、リッチェル製のMサイズをおすすめすることが多いです。
もちろん、すべてのミニチュアシュナウザーに無条件で同じサイズが合うわけではありません。
体格、体重、胴の長さ、脚の長さ、被毛の量、使用目的によっても適切なサイズは変わります。
しかし、一般的なミニチュアシュナウザーが子犬から成犬まで使用することを考えると、リッチェルのMサイズは、広さ、丈夫さ、使いやすさのバランスが取りやすいと感じています。
今回は、クレートの役割から、サイズを選ぶ時の基本、よくある失敗、クレートに慣らす方法まで、初めてミニチュアシュナウザーを迎える方に向けて詳しくご説明します。
そもそもクレートは何のために必要なの?
クレートというと、犬を閉じ込める箱のような印象を持つ方がいます。
- 「狭い所に入れるのはかわいそう」
- 「家では自由に過ごさせてあげたい」
- 「車で移動する時だけ使えばいいのでは?」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、正しく使えばクレートは犬を閉じ込めるためのものではなく、犬が安心して休むための「自分専用の部屋」になります。
犬は、周囲を囲まれた落ち着ける場所を好むことがあります。
家の中に人がたくさんいる時、掃除機をかけている時、来客がある時、少し静かに休みたい時などに、自分からクレートへ入って眠れるようになると、犬にとって大きな安心につながります。
また、クレートは日常生活だけでなく、さまざまな場面で役立ちます。
動物病院への移動、車でのお出かけ、旅行、ペットホテル、災害時の避難、入院、ドッグショーやイベントへの参加など、犬が限られたスペースで待機しなければならない場面は意外と多くあります。
普段からクレートに慣れている犬であれば、環境が変わっても「この中に入れば安心できる」と感じやすくなります。
一方、クレートに入った経験がほとんどない犬を、必要になった時だけ急に入れようとすると、強く抵抗したり、不安で鳴き続けたりすることがあります。
クレートは、必要になってから慌てて使うものではありません。
子犬の頃から少しずつ慣らしておくことで、将来の安心を準備するための道具です。

クレートの大きさは「広ければ広いほどよい」わけではありません
クレートを選ぶ時、多くの方が一番迷うのが大きさです。
犬がゆったり過ごせるように、できるだけ大きなものを選んだ方がよいと思うかもしれません。
しかし、クレートに関しては、大きければ大きいほど快適とは限りません。
クレートの中で犬が、
- 自然な姿勢で立てる
- 無理なく方向転換できる
- 伏せたり横になったりできる
- 頭や背中が常に天井へぶつからない
この程度の広さが、基本的な目安です。
クレートの中を何歩も歩き回れるほど広くする必要はありません。
クレートは運動をする場所ではなく、落ち着いて休むための場所だからです。
広すぎるクレートでは、犬が落ち着かず、中を行ったり来たりすることがあります。
また、子犬の場合は、一方を寝床、もう一方をトイレとして使ってしまうこともあります。
反対に、小さすぎるクレートでは、体の向きを変えられない、自然に伏せられない、頭や背中が当たるなど、身体的な負担が出ます。
つまり、クレート選びで大切なのは、
「広くて豪華な部屋」ではなく、
「犬が安心して休める、適度な広さの個室」という考え方です。
サイズを選ぶ時は、体重だけで決めない
クレートには「体重○kg以下」という目安が記載されていることがあります。
この表示は選ぶ際の参考になりますが、体重だけで決めるのはおすすめできません。
同じ7kgのミニチュアシュナウザーでも、
- 胴が短く、体高のある子
- 胴がやや長い子
- 骨量がしっかりした子
- 細身で脚の長い子
- 被毛を長めに残している子
では、必要なスペースが変わります。
特にミニチュアシュナウザーは、トリミングスタイルによって見た目のボリュームが大きく変わる犬種です。
脚の飾り毛や胸、腹部の毛を長く残している場合、数字上は入れても、実際には窮屈に見えることがあります。
そのため、クレートを選ぶ際は体重表示だけでなく、
- 床から頭の一番高い位置までの高さ
- 鼻先から尻尾の付け根付近までの長さ
- 伏せた時に必要な奥行き
- 方向転換できる横幅
をイメージすることが大切です。
商品に記載されている外寸だけを見るのではなく、できれば内寸も確認してください。
クレートの壁には厚みがあるため、外側のサイズと犬が実際に使える内部のサイズには差があります。
外寸だけを見て「十分入りそう」と判断すると、届いた時に想像より狭かったということがあります。
私がリッチェル製のMサイズをおすすめする理由
当犬舎では、ミニチュアシュナウザーのクレートについてご相談を受けた際、リッチェル製のMサイズをおすすめすることが多いです。
その理由のひとつは、一般的な成犬のミニチュアシュナウザーにとって、狭すぎず、広すぎないサイズになりやすいからです。
ミニチュアシュナウザーの子犬は、お迎え時にはまだ小さいため、Mサイズを見ると「少し大きいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、子犬はすぐに成長します。
お迎え時の体格だけを基準にSサイズを選ぶと、数か月後には窮屈になり、成犬用として買い直すことになる場合があります。
もちろん、子犬の時期にMサイズを使用する場合は、内部が広すぎて落ち着かないようであれば、寝具の置き方などを工夫する必要があります。
ただ、長期的に使用することを考えると、成犬時の体格を見越したサイズ選びには大きなメリットがあります。
また、ハードタイプのクレートは、布製のソフトクレートに比べて形が崩れにくく、車での移動や動物病院への通院にも使いやすいという特徴があります。
汚れた時に拭いたり洗ったりしやすい点も、子犬期には非常に便利です。
トイレの失敗、吐き戻し、水をこぼすなど、子犬との生活ではクレートが汚れる場面もあります。
清潔を保ちやすいことは、実際に使い続けるうえで大切なポイントです。
ただし、リッチェルには複数のシリーズがあり、同じMサイズでも寸法や扉の構造などが異なることがあります。
購入する際は、「リッチェルのMサイズなら何でも同じ」と考えず、商品名と内寸、外寸、体重目安を必ず確認してください。
子犬の今のサイズではなく、成犬時の体格を想像する
クレート選びでよくある失敗が、今の子犬の体にぴったり合わせてしまうことです。
お迎え時のミニチュアシュナウザーは、まだ体も小さく、Sサイズでも十分に見えることがあります。
しかし、そこから数か月で体高も胴の長さも大きく変わります。
買い替えを前提にするのであれば、子犬用として小さいサイズを使う選択も間違いではありません。
ただ、多くのお客様は、
- 「できれば同じものを長く使いたい」
- 「何度も買い替えたくない」
- 「車移動や災害時にも成犬になってから使いたい」
と考えていることが多いと思います。
その場合は、今の体格ではなく、両親犬の大きさや犬舎から聞いた成犬時の予想を参考にして選ぶことが大切です。
同じミニチュアシュナウザーでも、成犬時の体格には個体差があります。
当犬舎から子犬を迎える場合には、現在の体重だけでなく、両親の体格、骨量、成長の様子なども踏まえてご相談いただくと、より適切なサイズをご案内できます。

クレートの高さを確認する時のポイント
クレートの高さは、犬が立った時に頭や背中が常に押しつけられないことが大切です。
ただし、耳の先から大きく余裕を取る必要はありません。
ミニチュアシュナウザーは耳の形やセットによって、頭頂部の見え方が変わります。
目安にしたいのは、自然に立った時に不自然に首を曲げなくてよい高さです。
高さに余裕がありすぎると、持ち運ぶ時にクレート自体が大きく重くなり、車内にも置きにくくなります。
クレートは室内のハウスとしてだけではなく、持ち運ぶ可能性も考えて、犬の快適さと人の扱いやすさの両方を考えることが大切です。
奥行きと横幅も忘れずに確認する
高さばかりに目が向きやすいのですが、奥行きも重要です。
犬が伏せた時に、鼻先が扉へ強く押しつけられたり、お尻が後方へ当たり続けたりしない程度の長さが必要です。
また、内部で無理なく方向転換できる横幅も確認します。
実際に店舗で確認できる場合は、愛犬を無理に商品へ入れるのではなく、普段伏せている時の体の長さや立った時の高さをあらかじめ測っておき、内寸と比較すると安心です。
インターネットで購入する場合も同様です。
商品写真だけでは大きさを判断せず、数字を確認しましょう。
特に商品写真は、小型犬がゆったり入っているように見えても、その犬の体格がわからないため、自分の犬にも同じように合うとは限りません。
車で使う場合は、クレートだけでなく設置場所も測る
車での移動にクレートを使う予定がある場合、犬のサイズだけでなく、車内に置けるかどうかも重要です。
購入前に、
- クレートを置く場所の横幅
- 奥行き
- 高さ
- 扉を開けるためのスペース
- 車への出し入れができるか
を確認しておきましょう。
クレート本体は置けても、扉を十分に開けられないことがあります。
また、車の荷室の入口は、内部より狭くなっている場合があります。
「車内には入るはずなのに、荷室の入口を通らなかった」ということがないように、入口部分も測ることが大切です。
車内で使う際は、走行中にクレートが動かないよう、安全に固定できる位置や方法も確認しましょう。

扉の開き方や使いやすさも大切
クレートは大きさだけでなく、扉の構造も使いやすさに影響します。
前面から入るタイプ、上部も開けられるダブルドアタイプ、左右どちらからでも開けやすいタイプなど、商品によって違いがあります。
子犬のうちは、自分からスムーズに入れないことがあります。
上部が開くタイプであれば、体調不良時や病院での診察などで扱いやすい場合があります。
一方、上扉があることで重量が増える商品もあります。
日常的に持ち歩く方は、本体重量も確認しておきたいところです。
犬が成長すると、犬の体重にクレート本体の重さが加わります。
クレートだけを持った時には軽く感じても、犬を入れると想像以上に重くなることがあります。
ソフトクレートとハードクレートはどちらがよい?
クレートには、大きく分けて布製のソフトタイプと、樹脂などで作られたハードタイプがあります。
ソフトクレートは軽く、折りたためるものが多いため、持ち運びや収納には便利です。
ただし、噛む癖のある子犬では、生地やファスナーを壊してしまうことがあります。
また、汚れた時の清掃に手間がかかる場合もあります。
ハードクレートは形が崩れにくく、清掃しやすく、車での移動や通院、災害時にも使いやすいという利点があります。
ミニチュアシュナウザーの子犬を初めて迎えるご家庭で、最初の一台を選ぶのであれば、私は基本的に丈夫で管理しやすいハードタイプをおすすめしています。
ソフトクレートは、成長して落ち着いてから、旅行先やドッグショー、室内待機用など、用途に合わせて追加する考え方でもよいでしょう。
中に厚いベッドを入れる時は実際の高さが狭くなる
クレート自体の大きさはちょうどよくても、中に厚いベッドやマットを入れると、犬が使える高さが低くなります。
特にふかふかのベッドは、見た目以上に厚みがあります。
クレートの床から数cm高くなるだけでも、犬が立った時の余裕は変わります。
中に敷くものは、
- 滑りにくい
- 洗いやすい
- 厚すぎない
- 噛んで中身を出しにくい
- 季節に合っている
ものが使いやすいです。
子犬期はトイレの失敗や吐き戻しもあるため、最初から高価で分厚いベッドを入れる必要はありません。
洗いやすい薄手のマットやタオルなどから始め、噛み癖や寝方を見ながら調整するとよいでしょう。
クレートを買ったら、無理に入れないこと
適切なクレートを選んでも、最初から無理に入れて扉を閉めてしまうと、犬がクレートを嫌いになることがあります。
クレートは「閉じ込められる場所」ではなく、「安心できる場所」と覚えてもらうことが大切です。
まずは室内に置き、扉を開けたままにします。
中におやつやフードを置き、自分から顔を入れられたら褒めます。
最初は体全体が入らなくても構いません。
顔を入れた。
前足が入った。
中のおやつを食べられた。
一度入ってすぐ出てきた。
それぞれが練習の一歩です。
自分から入れるようになったら、中でフードを食べたり、短時間休んだりする経験を作ります。
その後、ほんの短い時間だけ扉を閉め、落ち着いていられたら開けます。
いきなり長時間閉じ込めず、短い成功を積み重ねることがコツです。
クレートに入った時だけ飼い主が外出する、病院へ連れて行くなど、嫌な出来事だけに使うのも避けたいところです。
普段から室内に置き、昼寝や休憩に使えるようにしておくと、クレートに対する印象がよくなります。

よくある失敗
①「狭いとかわいそう」で大きすぎる物を選ぶ
クレートを犬の部屋だと考え、大きなものを選びたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、クレートはサークルとは役割が違います。
サークルは、犬がある程度動いたり、トイレと寝床を分けたりする生活スペースです。
一方、クレートは休むことや安全に移動することを主な目的としています。
クレートの中で走り回れる必要はありません。
大きすぎるクレートは持ち運びにくく、車内で場所を取り、犬が中で安定しにくくなることもあります。
適度に体を囲まれるサイズのほうが落ち着ける犬も多いです。
② 子犬の今の大きさだけで選ぶ
お迎え時の体に合わせてぴったりのものを買うと、数か月で買い替えになることがあります。
長く使いたい場合は、成犬時の予想体格を基準にすることが大切です。
ただし、「大きくなるかもしれないから」と極端に大きいものを選ぶ必要もありません。
犬舎やブリーダーに両親犬の体格や成長の見込みを聞き、バランスのよいサイズを選びましょう。
③ 「Mサイズ」という表記だけで決める
同じメーカーでも、シリーズが違えばMサイズの寸法が違うことがあります。
他社製品であれば、さらに基準が異なります。
必ず商品ページやパッケージで、
- 商品名
- 外寸
- 内寸
- 体重目安
- 扉の開口部
- 本体重量
を確認してください。
「以前使っていたMサイズと同じだと思った」という判断は危険です。
④ クレートとサークルを同じものだと考える
クレートだけで一日中生活させるものではありません。
子犬期は、サークルなどの生活スペースの中にトイレや休む場所を作り、必要に応じてクレートを組み合わせる方法があります。
クレートは安心して眠る場所、移動する場所。
サークルは、安全に過ごしながら少し動ける生活スペース。
それぞれの役割を理解すると、使い方がわかりやすくなります。

まとめ|ミニチュアシュナウザーのクレートは「今」ではなく「成犬時と使い方」で選ぶ
クレートのサイズ選びで一番大切なのは、S・M・Lという文字だけで決めないことです。
犬が自然に立てる。
無理なく方向転換できる。
伏せたり横になったりできる。
頭や背中を不自然に曲げなくてよい。
この条件を基本に、犬の体高、胴の長さ、骨格、成犬時の予想体格を考えて選びます。
さらに、車で使うのか、室内のハウスとして使うのか、動物病院や旅行にも持って行くのかによって、求める『使いやすさ』も変わります。
私は、一般的なミニチュアシュナウザーには、リッチェル製のMサイズをおすすめすることが多いです。
子犬の時には少し余裕があるように見えても、成犬まで長く使いやすく、室内のハウス、車での移動、通院など、さまざまな用途に対応しやすいからです。
ただし、ミニチュアシュナウザーにも体格差があります。
すべての犬に同じ製品が合うとは限りません。
商品シリーズによって同じMサイズでも寸法が異なるため、購入前には必ず内寸と外寸を確認してください。
そして、良いクレートを選ぶことと同じくらい大切なのが、クレートを安心できる場所として教えることです。
無理に押し込まない。
最初から長時間閉めない。
自分から入れたら褒める。
普段から休む場所として使う。
こうした小さな積み重ねによって、クレートは犬にとって「入れられる場所」から「自分から入りたい場所」へ変わっていきます。
クレートは、子犬の時だけ使う道具ではありません。
成犬になってからも、通院、旅行、車移動、災害時など、愛犬の安全と安心を守る大切な道具です。
だからこそ、値段や見た目だけで選ぶのではなく、
「この子が安心して休めるか」
「成犬になっても使えるか」
「家族が安全に扱えるか」
という視点で選んであげてください。
愛犬に合ったクレートと、正しい慣らし方を準備することは、これから始まるミニチュアシュナウザーとの暮らしを、より安全で穏やかなものにしてくれるはずです。
