【実践編】【第二十八弾】ミニチュアシュナウザーの口が臭い?「これって普通?」と気になったときに知っておきたい原因とお口ケア

こんにちは!

静岡県浜松市にあるミニチュアシュナウザー専門の犬舎、ESTRELLA(エストレージャ)の内山です。

「うちのシュナウザー、最近なんだか口が臭う……」

顔を近づけて甘えてきたとき、抱っこしたとき、あくびをしたとき。

ふと感じる愛犬の口臭に、「犬だからこんなもの?」「歯みがきが足りない?」「もしかして病気?」と心配になる飼い主さんは少なくありません。

特にミニチュアシュナウザーは立派なひげがあるため、実際には口の中だけでなく、濡れたひげや食べ物の汚れなどが臭いの原因になっている場合もあります。

この記事では、ミニチュアシュナウザー専門ブリーダーの視点から、口臭が気になるときにチェックしてほしいポイント、家庭で取り入れやすいお口のケア、動物病院へ相談したほうがよいサインまで、できるだけ分かりやすくご紹介します。

  • この記事は一般的な飼育・ケアについての情報提供を目的としたもので、病気の診断や治療を目的とするものではありません。強い口臭や体調の変化がある場合は、自己判断せず獣医師にご相談ください。

目次

「犬だから多少口が臭うのは普通」と思っていませんか?

お客様とお話ししていると、ときどき、「犬って、もともと口が臭いものですよね?」と聞かれることがあります。

確かに、人間と犬では食べているものも口腔内の環境も違いますから、まったく無臭というわけではありません。

しかし、

  • 「以前より明らかに臭うようになった」
  • 「顔を近づけなくても臭いが分かる」
  • 「生臭いような臭いがする」
  • 「歯や歯ぐきも汚れている」

といった変化があるなら、「犬だから仕方ない」で終わらせず、一度お口の中や生活環境を確認してみることをおすすめします。

口臭そのものは病名ではありません。

大切なのは、「なぜ臭っているのだろう?」と考えることです。

そして、もうひとつミニチュアシュナウザーの飼い主さんにぜひ知っておいていただきたいことがあります。

それは、「口臭だと思っていたら、実はひげが臭っていた」というケースです。

シュナウザーならではのポイントなので、順番に見ていきましょう。


ミニチュアシュナウザーの口が臭うときに考えたい7つの原因

① 歯垢や歯石など、お口の中の汚れ

まず確認したいのが歯の状態です。

犬も食事をすれば歯の表面に汚れが付着します。

特に、

  • 奥歯
  • 犬歯の周辺
  • 歯と歯ぐきの境目
  • 口の奥側

などは、飼い主さんから見えにくく、ケアもしにくい場所です。

前歯だけを見るときれいでも、唇を少しめくって奥歯を確認すると、「こんなに汚れていたの?」と驚くことがあります。

歯の表面に黄色や茶色っぽい付着物が目立つ場合や、歯ぐきの状態が気になる場合には、口臭と関係している可能性があります。

毎日愛犬を見ているからこそ、意外と変化には気づきにくいものです。

ときどき口をめくって、「前と比べてどうかな?」と確認する習慣をつけておくとよいでしょう。

② 歯ぐきや口の中に気になるところがある

口臭が気になる場合、歯だけではなく歯ぐきも見てあげてください。

例えば、

  • いつもより赤く見える
  • 腫れているように見える
  • 触られることを嫌がる
  • 口から出血した形跡がある
  • 片側だけで食べているように見える
  • 硬いものを食べたがらなくなった

といった変化です。

「ご飯を食べているから大丈夫」と思ってしまいがちですが、犬は多少違和感があっても食べ続けることがあります。

食欲だけで判断せず、食べ方そのものが変わっていないか?も見てあげることが大切です。

③ 食べ物が歯の間や口の中に残っている

食事の内容によっては、食べかすが歯の隙間や口の中に残りやすくなることがあります。

特に柔らかい食べ物や粘着性のあるものを食べた後は、お口の状態を確認してみてもよいでしょう。

また、おやつを頻繁に与えている場合、「ご飯は朝晩2回だから、お口も1日2回しか汚れない」とは限りません。

朝ごはん→おやつ→おやつ→夕ごはん→寝る前のおやつ……

となれば、お口の中には何度も食べ物が入ります。

もちろん、おやつそのものが悪いわけではありません。

ただ、「何を食べているか」だけでなく「1日に何回口の中に食べ物が入っているか」という視点も持っておくと、お口のケアを考えやすくなります。

④ シュナウザーの場合は「口」ではなく「ひげ」が臭っていることも

これはぜひ覚えておいていただきたいポイントです。

ミニチュアシュナウザーといえば、やっぱり立派なひげ。

あのひげがシュナウザーらしい表情を作ってくれる大きな魅力なのですが、同時に汚れや水分を抱え込みやすい部分でもあります。

水を飲めば濡れます。

ご飯を食べれば食べ物が付きます。

ウェットフードなら、さらに付きやすくなります。

散歩中に地面の臭いを嗅ぐこともあります。

そして濡れたままの状態が長く続けば、「なんとなく生乾きっぽい」「口の周りが臭う」と感じることがあります。

飼い主さんとしては顔の周辺から臭うため、「口臭がひどい!」と思ってしまいます。

ところが実際に確認すると、口の中より、ひげのほうが臭っているということもあります。

【 簡単な確認方法 】

愛犬が嫌がらない範囲で、

  1. 口の中の臭い
  2. 口の横のひげ
  3. あごの下の毛

をそれぞれ確認してみてください。

ひげを触った手に臭いが残るようなら、口臭だけではなく「ひげの衛生管理」も見直してみましょう。

これはシュナウザーの飼い主さんならではのチェックポイントです。

⑤ 水を飲んだ後の「濡れっぱなし」

シュナウザーのひげは水を含みやすいため、水を飲んだ後に床がびしょびしょになることがあります。

「シュナウザーあるある」ですね。

でも、床だけではなくひげにもかなりの水分が残っています。

そのままベッドで寝たり、食事をしたり、何度も水を飲んだりすると、ひげが長時間湿った状態になることがあります。

そこでおすすめしたいのが、水を飲んだ後に、できる範囲でひげの水分を取ってあげること。

毎回完璧にやる必要はありません。

飼い主さんの生活に無理が出てしまったら続かないからです。

タオルや清潔な布などを水飲み場の近くに置いておいて、気づいたときにサッと拭く。

それだけでも、ひげを清潔に保つ習慣につながります。

⑥ 拾い食いや、飼い主さんが把握していないものを口にしている

「昨日までは臭くなかったのに、今日突然臭い」

そんな場合には、何か変わったものを口にしていないかも考えてみましょう。

散歩中の拾い食いだけでなく、

  • 庭に落ちていたもの
  • ゴミ箱の中
  • ティッシュ
  • 他のペットの食べ物
  • 食卓から落ちた食材
  • おもちゃの破片

など、飼い主さんが見ていないところで何かを口にしている可能性もあります。

特に急に口臭が変わった場合には、「いつもの歯の汚れかな?」と決めつけず、その日の行動を振り返ってみることも大切です。

⑦ お口以外の体調変化が関係している可能性も

ここは非常に大切なところです。

口臭というと歯だけに注目しがちですが、必ずしも口の中だけが原因とは限りません。

そのため、

「最近、急に口臭が強くなった」

「今までとは違う臭いがする」

「食欲や元気にも変化がある」

という場合には、歯みがきだけで何とかしようとせず、動物病院へ相談してください。

特に、

  • 食欲が落ちた
  • 元気がない
  • 水の飲み方がいつもと違う
  • おしっこの量や回数が変わった
  • 嘔吐や下痢などがある
  • 体重が変化している
  • よだれが増えた
  • 口を気にする仕草が増えた
  • 食べ方が変わった

など、口臭以外の変化が一緒に見られる場合は注意して観察しましょう。

「口が臭い=この病気」と飼い主さんが自己判断する必要はありません。

むしろ、口臭以外にどんな変化があるのかを観察して獣医師へ伝えることのほうが重要です。


では、家庭ではどんな対策をすればいい?

基本はやっぱり「口の中を確認する習慣」

口臭対策というと、

「何か良い商品はありませんか?」

「水に入れるものは?」

「歯みがきガムなら大丈夫ですか?」

と考えたくなるかもしれません。

しかし、その前にやっていただきたいことがあります。

それが、愛犬の口の中を見る習慣を作ること。

難しいことではありません。

唇を少し持ち上げて、「今日はどうかな?」と確認するだけでも構いません。

見るポイントは、

  • 歯の色
  • 歯の表面の付着物
  • 歯ぐきの色
  • 出血していないか
  • 左右で違いがないか
  • 口の中に異物がないか

などです。

毎日見ていれば、「いつもと違う」に気づきやすくなります。


歯みがきは「完璧」より「続ける」

子犬を迎えたお客様には、できるだけ早い時期から口周りを触る練習をおすすめしています。

とはいえ、「うちの子、歯みがきを全然させてくれません!」というご相談も非常に多いです。

そこで伝えたいのは、最初から完璧な歯みがきを目指さなくて大丈夫ということです。

いきなり歯ブラシを口の奥まで入れられたら、犬からすれば嫌なのは当然です。

まずは、

  1. 口の周りを触る。
  2. 唇をめくる。
  3. 歯に触れる。
  4. ガーゼなどで軽く触れる。
  5. 歯ブラシを見せる。
  6. 歯ブラシを歯に少し当てる。

というように段階を踏んで慣らしていきましょう。

「今日は前歯だけできた」でも十分です。

翌日は犬歯。

その次は奥歯。

少しずつ、「口を触られても怖いことは起きない」と覚えてもらうことが、長く続けるためのコツです。


子犬の頃から「口を触る練習」をしておくメリット

これは歯みがきだけのためではありません。

将来、

  • 口の中を確認する
  • トリミングをする
  • 動物病院で診察を受ける
  • 異物が入っていないか確認する

といった場面でも役立ちます。

ミニチュアシュナウザーは賢い犬種です。

その反面、「これは嫌!」と覚えたことに対して、はっきり意思表示する子もいます。

だからこそ子犬のうちから、「口を触る=嫌なこと」ではなく、「口を触られるのは日常の一部」にしておくことをおすすめします。


歯みがきガムだけで大丈夫?

これも非常によくある質問です。

「毎日デンタルガムをあげているので、歯みがきはしていません」という飼い主さんもいらっしゃいます。

ガムなどを日常のケアに取り入れること自体を否定する必要はありません。

ただし、「ガムを食べているから、口の中を見なくていい」とは考えないほうがよいでしょう。

犬には噛み方の癖があります。

右側ばかりで噛む子もいれば、数回噛んですぐ飲み込んでしまう子もいます。

つまり、ガムを与えていても、「全部の歯が均等にケアできている」とは限りません。

補助的なケアを取り入れる場合でも、口の中を定期的に確認する習慣は続けてください。


シュナウザーなら「ひげケア」もセットで考えよう

ミニチュアシュナウザーの場合、歯のケア+ひげのケアをセットで考えるのがおすすめです。

  • 食後
    • 食べ物が付いていたら、やさしく拭き取る。
  • 水を飲んだ後
    • 可能なら余分な水分を取る。
  • 汚れが目立つとき
    • 無理に放置せず、その子に合った方法で清潔にする。
  • シャンプー・トリミング時
    • 口周りやあご下まで状態を確認する。

特に長いひげをきれいに維持しているシュナウザーでは、見た目だけでなく、

「濡れたままにしない」という考え方が大切です。

真っ白できれいなひげを目指すことだけが目的ではありません。

毎日愛犬と顔を近づける場所だからこそ、清潔で快適な状態を保ってあげたいですね。


「歯みがきしているのに臭う」なら一度立ち止まって考える

毎日歯みがきをしているのに口臭が強い。

そんなとき、「もっと強く磨かなきゃ」「回数を増やそう」と考えるのは少し待ってください。

口臭の原因が歯の表面の汚れとは限らないからです。

特に、「以前は臭わなかったのに最近臭う」という変化があるなら、その変化自体が重要な情報です。

  • いつ頃からなのか。
  • ずっと臭うのか。
  • 食後だけなのか。
  • 朝だけなのか。
  • ひげを洗っても臭うのか。
  • 食欲は変わっていないか。
  • 水の飲み方は変わっていないか。

こうした情報を整理しておくと、動物病院へ相談するときにも状況を伝えやすくなります。


こんなときは家庭で様子を見続けず動物病院へ

「口臭くらいで病院に行っていいのかな?」と迷われる方もいると思います。

もちろん、一時的に食べ物の臭いが残っているだけということもあります。

しかし、

  • 急に口臭が強くなった
  • 明らかに以前とは違う臭いがする
  • 歯ぐきから出血している
  • 口の中に腫れや傷のようなものがある
  • よだれが急に増えた
  • 口を触ると痛がる、強く嫌がる
  • 食べにくそうにしている
  • 食欲が落ちている
  • 元気がない
  • 顔が腫れているように見える
  • 水を飲む量や排尿に大きな変化がある
  • 嘔吐など他の症状もある

といった変化がある場合には、早めに動物病院へ相談してください。

また、家庭で取ろうとしても取れない歯の付着物などについても、無理に器具を使って削ったりせず、獣医師に相談することをおすすめします。


「臭いを消すこと」だけを目的にしないでください

口臭が気になると、どうしても、「どうすれば臭わなくなる?」と考えてしまいます。

もちろん、臭いがなくなれば飼い主さんも嬉しいですよね。

でも本当に大切なのは、臭いを隠すことではなく、なぜ臭っているのかを考えること。だと思っています。

例えば、香りの強いケア用品を使って一時的に臭いが分からなくなったとしても、根本に別の原因があれば、それに気づきにくくなってしまいます。

口臭は、「愛犬の口の中を見てみよう」というきっかけのひとつ。

そう考えていただければと思います。


ブリーダーとしておすすめしたいのは「毎日の顔チェック」

私たちはシュナウザーと毎日生活しています。

だからこそ思うのですが、特別なことを毎日する必要はありません。

ご飯を食べたとき。

水を飲んだとき。

抱っこしたとき。

ソファで隣に来たとき。

顔を見ながら、「今日も元気だね」とひげを触る。

そのついでに、

「ひげは汚れていないかな?」

「口の臭いはいつもと同じかな?」

「歯はどうかな?」

と確認する。

このくらいでいいと思います。

毎日完璧に歯みがきをしなければ。

毎回水を飲むたびにひげを乾かさなければ。

そんなふうに考えると、犬との暮らしそのものが大変になってしまいます。

大切なのは、完璧なケアより、愛犬の「いつも」を知っておくこと。

いつもの状態を知っている飼い主さんだからこそ、小さな変化に気づくことができます。


シュナウザーの「お口チェック」を習慣に

最後に、普段から確認しておきたいポイントをまとめます。

【 毎日の簡単チェック 】

  • 口臭が急に強くなっていないか
  • 歯に目立つ汚れがないか
  • 歯ぐきの様子に変化がないか
  • 出血していないか
  • 食べ方が変わっていないか
  • よだれが増えていないか
  • ひげが濡れっぱなしになっていないか
  • ひげに食べ物が付いていないか
  • 元気・食欲は普段と変わらないか
  • 水の飲み方や排尿に大きな変化がないか

全部を神経質にチェックする必要はありません。

「そういえば最近ちょっと違うな」という変化を見つけるための目安として使ってください。


まとめ|口臭は愛犬からの小さなサインかもしれません

ミニチュアシュナウザーと暮らしていると、顔を近づける機会が本当にたくさんあります。

甘えて顔を近づけてきたり、抱っこをせがんできたり、朝起きたら顔の横にいたり。

だからこそ、「あれ?ちょっと口が臭うな」という変化にも気づきやすい犬種かもしれません。

口臭が気になったら、まずは慌てず、

「口の中かな?」

「歯はどうかな?」

「歯ぐきは?」

「もしかして、ひげかな?」

と確認してみてください。

特にシュナウザーでは、立派なひげに水分や食べ物が残って、口臭のように感じることもあります。

歯みがきだけではなく、食後や水を飲んだ後の「ひげケア」まで含めて考えるのが、シュナウザーらしいお口周りのお手入れです。

そして、家庭でのケアで最も大切なのは、臭いをごまかすことではありません。

「いつもと違う」に気づくことです。

昨日まで気にならなかったのに、急に臭う。

食べ方も少し変わった。

口を触られるのを嫌がるようになった。

そんな変化があれば、「口臭だけだから」と決めつけず、必要に応じて動物病院へ相談してください。

私たちブリーダーがお客様にお伝えしたいのは、『愛犬のお口を見ることも、毎日の健康チェックのひとつ』ということです。

難しいことをする必要はありません。

顔を撫でるついでにひげを触る。

唇を少しめくって歯を見る。

食べ方を観察する。

水を飲んだ後、濡れたひげを軽く拭いてあげる。

そんな小さな習慣の積み重ねが、愛犬の変化に早く気づくきっかけになります。

ミニチュアシュナウザーのかわいいひげと、元気なお口を長く守っていくために。

今日からぜひ、「顔を見るついでのお口チェック」を始めてみてください。

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